大阪YMCA日本語教育センター 4周年記念特別講演(2024年度)

CEFRによる「行動中心の考え方」にもとづく言語教育
― 理論と実践の視点から ―

開催日時

2025年3月8日(土)

13:30~16:30

開催形式

ZOOMウェビナー

定員:450名先着順

参加費

無料

講師プロフィール

山田美樹先生

山田 美樹 氏

お茶の水女子大学人間文化創成科学研究科 博士後期課程1年

ご専門はフランス語教育学。

2022年お茶の水大学文教育学部言語文化学科卒業。2022年-2023年フランス政府給費留学生としてフランス、フランシュ・コンテ大学の言語教授法マスターコースに留学。2024年お茶の水女子大学大学院博士前期課程修了。同大学大学院博士後期課程に在籍中。

主要論文:

山田美樹 (2024).「教師の語りから見たフランス語教育における『行動中心の考え方』の受容と実践-CLAでのインタビュー調査をもとに-」, Revue japonaise de didactique du français(日本フランス語教育学会), 19, 182-187.

山田美樹 (2024).「行動中心の考え方とは何か?」,『仏語圏言語文化』4, 29-45.

講演内容

2001年に発表された欧州言語共通参照枠(CEFR)は日本を含む世界各国の言語教育に多大な影響を与えています。日本の言語教育においてまず関心が寄せられたのは、CEFRの「共通参照レベル」と「例示的能力記述文」であり、近年ではCEFRを教育の到達目標として導入する教育機関が増えています。また、個人の中で複数の言語に関する知識や経験が相互に関連し合いながら言語能力が形成されるという考え方を示したCEFRの複言語主義は、英語偏重の日本の外国語教育に示唆を与える概念として研究が進められてきています。しかしその一方で、CEFRの「行動中心の考え方」が議論の対象となることはきわめて少なく、その理論的および方法論的特徴が十分に理解されているとは言えない状況です。

本講演では、「行動中心の考え方」の特質を理解することを目指し、「行動中心の考え方」と従来の「コミュニカティブ・アプローチ」との違いや関連、またこの考え方の重要概念である「タスク」や「能力」の特質を確認します。その上で、CEFR発表直後からこの考え方に関する研究や実践が進められてきたフランスでの現地調査をもとに、フランスでのフランス語教育における「行動中心の考え方」の受容と実践の現状を報告し、CEFRが提唱する「行動中心の考え方」について理論と実践の双方から理解を深めることを目指します。